「互換性がある」と表記しているのは、装着出来る組み合わせの中でも、自動露光(AE)や、オートフォーカス(AF)など、レンズが本来のボディに装着されていれば発揮された機能がすべて動作する場合に限っています。
一般のマウントアダプタを介して装着自体は可能だが、それらの機能が動作しない場合は含んでいません。
基礎知識
まず、大前提として基本的にレンズとボディのマウントが同じでなければレンズは装着出来ません。 また、マウント名が一応同じレンズとボディであっても、互換性に制限がある場合があります。
この例外として、「マウントアダプタ」と呼ばれる器具によって、ボディと異なったマウントのレンズを装着できる場合があります。 マウントアダプタは大きく分けて
、メーカ純正のものと、それ以外の一般のものがあります。特に断りがない限り、一般のマウントアダプタのことを「マウントアダプタ」と表記しています。
メーカ純正のマウントアダプタにおいては、互換性を保って装着可能な場合が多いです。 一般のマウントアダプタにおいては、互換性はなく、ただ、物理的に装着できるようにするだけの場合がほとんどです。
一般のマウントアダプタにおいては、「多くのレンズでは装着できるが、レンズによっては装着不能」という組み合わせもしばしばあります。
お断り
以下では便宜上、「一眼レフカメラ用のマウント」と「その他のカメラ用マウント」にマウントを大別します。 Mマウント以外の「その他のカメラ用マウント」同士の装着は、オールドレンズを使うという今回の記事の対象外になるため、考慮していません。
「一眼レフ用マウント」同士の場合、「補正レンズ付き」のアダプタを使えば、本来装着できない組み合わせでも装着できるパターンも多くありますが、省略しています。補正レンズ込みでも装着できない組み合わせはそんなにない……はずです。
「一眼レフ用マウント」のレンズを「その他のカメラ用マウント」のボディに装着するマウントアダプタは、基本的にすべての組み合わせが存在し、装着可能です。(図)
2.個別のお話
一眼レフ用マウント
・Fマウント(Nikon)
Nikonの一眼レフカメラで使われているマウントです。
細かくいうと色々と互換性がない場合も多いですが、組み合わせによっては70年台~のレンズがそのまま現行のボディでも使えます
フランジバックが一番長い部類(46.5mm)のマウントなので、基本的にこのマウントにマウントアダプタをつけて他マウントのレンズを使うのは難しいです。
・EFマウント(Canon)
Canonの一眼レフカメラで使われているマウントです。
80年代末に誕生した新しいマウントで、それ以前のレンズとの互換性はありません。
尤も、フランジバックが短い(44mm)ため、マウントアダプタは一眼レフカメラの中では比較的使いやすいようです。
Fマウントに対してはほぼレンズの制限なくマウントアダプタが利用できるようです。
Y/Cマウントに対しては装着できないレンズと、装着できるレンズとがあるようです。
・EF-Sマウント
EFマウントの1種で、Canonの一眼レフのうち、APS-Cサイズの素子のカメラ専用のレンズです。
Canonの35mmフルサイズカメラには装着不能です。逆に、APS-CカメラにEFマウントのレンズをつけることはもちろん出来ます。
・EF-Mマウント
こちらは、Canonのミラーレスカメラ「EOS M」シリーズのマウントです(従って本来の分類としては「それ以外のカメラ用マウント」になります)。
純正のアダプタを介することで、EF/EF-Sマウントのレンズを互換性を持ってEOS Mシリーズに装着することが可能です。
・Kマウント(Pentax)
Pentaxの一眼レフカメラで使われているマウントです。
細かな点を除けば、70年台からのレンズが一応互換性を持って現行のボディで利用可能です。
また、下記M42マウントのレンズをマウントアダプタを介して装着可能です。
・Aマウント(SONY)
SONYの一眼レフカメラで使われているマウントです。昔(2006年まで)はMINOLTAというメーカが現SONYのカメラ事業を営業していたため、その頃のレンズはMINOLOTA銘になっています。
80年台半ばに登場したマウントで、それより前のレンズとは互換がありません。
純正アダプタを介してEマウント(後述)に互換性を保って装着できます。
――↑ここまでが現在使われているマウント↑ーー
・Y/Cマウント(Yashica/Kyocera)
昔、ヤシカ(後に京セラにより吸収)の一眼レフカメラで使用されていたマウントです。
提携の関係でZEISSブランドのレンズが豊富にあり、珍重されているようです。
一眼レフカメラへのマウントアダプタは、レンズによる制限があるもののEFマウントへは存在するようです。
・M42マウント
大昔のマウントですが、世界中で使われていたため様々なレンズが有り、未だにオールドレンズ遊びの対象としてはポピュラーなようです。
一眼レフカメラへのマウントアダプタは、KマウントへはPentax純正のアダプタがあります。
EFマウントへも一応アダプタはありますが、レンズとボディの組み合わせによっては使えない場合もあるようです。
・FDマウント(Canon)
CanonがEFマウントに移行する前のマウントです。現在では補正レンズなしで他の一眼レフ用マウントへ変換できるマウントアダプタは存在しないようです。
・MDマウント(MINOLTA)
MINOLTAがAマウントに移行する前のマウントです。(調査中)
それ以外のカメラ用マウント
・Mマウント(Leica)
1954年以来続くライカのマウントです。半世紀以上にわたって完全な互換を保っていますが、ライカのボディを持っている方はこんな記事を読んでいないと思います
サードパーティーを含めた豊富な互換レンズが有り、下記ミラーレスカメラ用マウントへは一般のマウントアダプタ経由で装着可能なため、オールドレンズ遊びの対象として嗜まれているようです。
・Eマウント(SONY)
SONYのミラーレスカメラ向けマウントです。同社のAマウントのレンズは、純正のマウントアダプタにより互換性を保って使用可能です。
また、現時点で現実的に利用できる35mmフルサイズセンサを搭載したミラーレス機の存在する唯一のマウントのため、各種マウントに変換して遊ぶ母艦として好まれているようです。
・Xマウント(FUJIFILM)
富士フィルムのミラーレスカメラ向けマウントです。純正でMマウントアダプタがあります。
・マイクロフォーサーズマウント
パナソニック・オリンパス等のミラーレスカメラ向けマウントです。マウントアダプタを利用した遊びも当然可能ですが、コーワ・コシナなどから、現行レンズとしてクラシカルな雰囲気のMF用レンズが発売されていることも特徴です。
3.まとめ
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